~DSと言えば昔の宇宙船のシトロエン、今はこんな感じです、一言で言ってお洒落、日本車では得られない味が有ります~|変わった品揃えの中古車店|大阪府 高槻市 ニコニコオート
今回は最新の車両のお話です。シトロエンでは無く、DSオートモビルズの
DS3クロスバック、限定モデルです。当店には似つかわしくないモデルです。
以前当店でコペルボニートを購入下さったお客様で半年程前に車両の乗換の相談
を頂きました。お話を聞き、結論として「それは絶対に買った方がイイ」とアドバイスさせ
て頂き、真っ赤なコペルボニートを当店で引取り、購入されたのがこのDS3クロスバック!
2/15に静岡から私に見せに持って来て頂きました。

外観はまさに「現代風のスタイリング」、細かく見ると本当にデザインを重視したモデルだと
解る部分が沢山あります。(サイドドアプレスライン、窓枠の処理、ルーフの色他多々有り)
グリルは今風ですが、クローム部分のアクセント等日本車では見る事の出来ない芸の細い
仕上がりです。見る人が見ればどんな部分にお金を掛けているかすぐ解るイイ車です。

ここから細かい所に目をやると、「さすがやなあ。これは凝ってるな。全てデザインの為」と
感じさせてくれる思い切りの良さにさすが普通のこのクラスのクルマとは金額が違うなと納得
です。機能性が良いクルマ、燃費の良いクルマ、運動性の良いクルマは他にゴマンとあります。
このクルマは「デザインとそのデザインを具体化する部分の質感」に拘ったクルマです。これが
理解できない人には無用の長物、ダメなクルマであり、理解する人はこれが欲しくなる筈です。

私はまずこれが最も「カッコいいな」と感じました。昔の車ならいざ知らず、今のコストばかり
気にしている日本車では絶対にこういうテイストは出せないし、こんな事を実現する為に「お金」
を掛けるのは「無駄」と考え、絶対に実現し得ないデザイン。凝ったデザインと造形のスピーカ
カバー。ラインの入れ方も不均等な所がカッコいい。まさにデザイン重視です。カバーの質感、
色合いも優れています。普通のクルマならここはプラスチックの「穴」ですね。

カタチ自体もダイアモンド形、ダッシュ中央のスピーカです。ここも逆ピラミッド形のような造形。
色、質感共に抜群ですね。安っぽいプラスチックの内装材を忘れる位素晴らしい。

ピラー部のツイータカバー、ここもダイアモンド形状がベースのデザインを上手く使ってます。
この部分だけお洒落なデザインのクルマは合っても、全部のスピーカーグリルを統一した
デザイン、質感で作っている所が凄くカッコいいなあと素直に感じます。デザインの車ですね。

このシフトレバー両サイドに位置するスイッチのデザインは勿論、これもダイヤモンド
をイメージした造形、単なるカタチだけでなく凹凸の造形が非常に良いです。そして
スペース部分の表面の細かい凸凹も全てタイヤモンド形状。カッコいいとしか言えない。
材質もしっかりとしたメタル感があり、見てくれだけのピカピカクローム等と違いこの車
を「トータルでコーディネートしている」感覚が抜群です。触った感じも良くお金を掛けて
デザインして、良い材質で作っている事がすぐに解る部分です。PWのボタンは本当に
カッコいい。。使いにくいとか埃が溜る、そんな事関係無く「デザイン重視」で統一して
造られている所が潔くカッコいいクルマです。使い勝手は2の次ですね。デザイン重視
がこのクルマの使命だと感じされられます。

まだまだ続く!これでもか!ダイヤモンド形状。このメタルの材質と質感は抜群ですね。
現代の日本車高級モデルよりも凝った造りと材質ですね。ちょっと比較できない位イイ!
正直、操作性は良く無かった上にボタン部の反応も遅れやずれを感じますが、これ位
拘ったデザインで「キメ」てくれるならそれも全然問題ない、と私は受け入れてしまいます。

ダッシュにある吹出口と統一のデザイン、ドア装着の吹出口、このメタル部分の造り、
デザイン、そして質感はこのクラスの車の物とは思えない素晴らしい造りです。特に
素晴らしいと感じるのはこの中心部の羽の向きを変える「つまみ」部に装着された
装飾品は「まるで彫金細工の様な質感でダイヤモンド形状が刻まれて」いる逸品です。
無くして注文すると「少し驚く程の価格」なんではないかな。。と感じる程デキが良いです。
こういう細かい部分の質感が「ダメ」だと、いくらハイセンスで高級なモデルですよ、
と言われても乗っていると一気に興醒めするものです。日本車にも見習ってほしいと感じる
デザインと造りの良さを感じます。室内は調度品の様に感じました。

マルーン色のドアトリム、画像では1色に見えますが、上が「ウォッシュ風」、下が「単色」
と使い分けされています。これは全てシート地と調和されていて「シートサイドホールド部」
と「中央部」の色の使い分けとマッチさせています。

このシート座面・背面のブロック割もデザイン重視です。座り心地も勿論あると思いますが、
デザイン重視、これを一番と考える「割り切りの良さ」イイですね。何でも平均点以上と考え
る方法もあれば、これを最優先と考える方法もある、それがDSのようだと感じました。

これは私の大のお気に入り、ステアリングにもダイアモンド形状の「穴」が有ります。

トドメはステアリング上の左右対称に位置する「メタル製」のスイッチ。これも当然の
様にダイアモンド形状のデザインが「彫金」されています。ここから見ると一目瞭然、
メーターパネルを覆うメータフード左右も「ダイヤモンド形状」。
このクルマはダイヤモンド形状をモチーフに描かれた一つのアート作なんやなあ、
と私は感じました。
この穴をあける事ひとつとっても、「コスト」が掛かります。このデザインの実現の為
にこのクルマは「この穴を作る工程を増やして、その分お金を掛けている」のが答え
です。
これを「する」か「しないか」はメーカーの「考え」ひとつです。これを単なる穴、無駄と
考えるか、このDS3の様にトータルデザインの中で重要な部分と考え「市販化」する
か、そこにフランスと日本の違いを大きく感じました。
DSと言えば古いシトロエンのモデル。一言で表すと「宇宙船」のような見た事も無い
形状の怪しげなクルマを私はイメージしてしまいます。今や町で見る事はほぼ無く、
自動車の歴史を振り返る「本やネット画像」でしか見る機会はないと思います。
DSは一つのブランドとしてシトロエンから独立しており、シトロエンよりもより少ない
マーケット向けでありながら、自由なデザインを描くクルマになったんだなあと感じ
ます。
私自身、新しいクルマにはあまり興味が湧きません。色んなモデルに触れたり、
乗ったりしても、常に感じてしまうのが「安物を豪華に見せようとする姿勢」に辟易
してしまうからです。現代の高級と言われる量産車において私が高級と感じる
モデルは残念ながら今やどのメーカにもどのモデルにも有りません。
良く解らない取ってつけたようなウッド調を張り付けるなら、何にもないプラスチック
のままの方がよっぽどカッコいいと思ってしまう私には現代の日本車の家電製品
のようなインパネ周りには理解が出来ない古いタイプの人間です。
コストダウンが当然の事のように言われる現代であり、このクルマも元をただせば
プジョー、シトロエンと共用のシャーシを使った使いまわしのクルマに過ぎませんが、
このスタイル、インテリアの造り込み、妥協を感じさせない造りがそこかしこに感じる
事が出来る数少ない「これと言う部分にはコスト度外視で作りました」と言う姿勢が
感じられる、現代のクルマとしては珍しい「潔さ」を感じる良いクルマだと思いました。
そういえば、「走りの気持ちよさ」を最優先とするマツダ、価値観が似ているのかも
知れません。
デザインだけで乗る、そんなクルマは今の日本の多くの消費者にとっては無駄以外
何ものでもないかも知れません。多くの人に認められる車ではないと思えるモデル
ですが、キラッと光るデザインの惚れて乗る人が確実に存在する車だと実感します。
走りについては。。。申し訳ありませんが、現代の車ですから平均以上に走ると
予想しています。そこはこのクルマにとってはさして重要な部分では無い、そう思わ
せる車だと感じます。
ある意味多くの人には無駄と感じる、もしくはそのデザインも理解して貰えないかも
知れませんが、参考までにこのDSのオーナーは自動車メーカーに部品を供給する
大手サプライヤーで車両の配線(ハーネス)を設計する部署にお勤めの方で私より
も現代の車両のコストの問題その他様々な事情を知り尽くした方です。
そういった方がこういう変わった車を求めると言うこと自体、日本の車に「感性」を
求める車が減ってしまった。。効率とお金を最優先に考える車が増えたと言う事だと
考えさせられてしまいます。
1台の新しい車で多くの知見を頂き、本当に勉強になりました。
新しいDSに買換えの際には当店で引取りさせて頂きますので宜しくお願い致します。
1年中作業着しか着ない私には縁遠い車ですが、見ているだけで楽しくなる車なので
その節には当店で販売させて頂きたいと考えております。
ニコニコオート
店長
02/02/24
「お洒落」と言えるクルマであり、その価値を理解出来る人の数は少ないと思います。
けれどもそういう車を造る、と言う「姿勢」がいずれ確かなブランドとマーケットを得る、
そういう時代がまた改めて来るなあと私はこのDS3を見て確信しました。
スポンサーサイト